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医薬品原薬のプロセス開発に於ける実験室から製造現場へスケールアップ 

医薬品原薬のプロセス開発  -実験室から製造現場へ- 医薬品原薬のプロセス開発は、実験室の実験機と製造現場の実機との違いを理解するところから始まる。 目次 初めに 1. 医薬品原薬のプロセス開発は、実験室の実験機と製造現場の実機との違いを理解するとこ    ろか ら 始まる 2. 医薬品原薬のプロセス開発には新薬と後発品があるが、どちらも考え方は同じ 3. ステージに合わせたプロセス開発の進め方 4. スケールアップに合わせたデータ取り -実験室の最適操作条件を製造現場で忠実に再現    するため に- 5. スケールにより操作時間が違う 6. スケールにより危険性・安全性(有害性)が違う 初めに 医薬品原薬のプロセス開発は医薬品の治験(開発)ステージにより異なっている。全ての治験薬が医薬品になるわけではない。医薬品の開発には 10 年以上の期間と数百億~数千億円規模の費用が掛かると言われており、医薬品として承認される成功率は年々低下し 0.0040% (日本製薬工業協会調べ( 2011 ~ 2015 年度))と言われている。原薬のプロセス開発は開発ステージに合わせて完成度を高めて行き臨床開発ステージの Phase IIb で商業製造プロセスを確立させ Phase III で承認申請に必要な Process Validation を成功させる必要がある(図 1 )。 医薬品原薬のプロセス開発には新薬と後発品があるが、どちらも考え方は同じであると思っている。 図1   各開発ステージに合わせたプロセス開発 表 1   開発ステージでのプロセス開発 検討場所 検討段階 数量( kg ) 検討内容 実験室 小スケール実験 ~ 0.10 反応条件を含む工程操作の最適化 ・合成ルート、反応条件、合成法の開発 ・出発物質(原料)、副原料、試薬、触媒及び溶媒等の種類と量比の 最適化 ・反応温度を含む工程の操作温度の最適化と許容範囲の設定 ・合成法の最適化, ・規格(品質)及び試験方法の開発 ・原料、試薬、副原料、溶媒等及び中間体・原薬の物性確認 ・精製