スキップしてメイン コンテンツに移動

投稿

11月, 2017の投稿を表示しています

医薬品原薬のプロセス開発に於ける製造現場(スケールアップ)での失敗

医薬品原薬のプロセス開発に於ける製造現場(スケールアップ)での失敗 実験室からプラントへ  本内容は、著者が医薬品原薬のプロセス開発で実際に経験した或いは解決策を相談されたスケールアップ製造での失敗事例についてお話しします。内容については、開示できる範囲に限度がありますので反応式等は模式的に記載しています。 筆者は、「一回の失敗は仕方がない、二回目はあほで済まされるが、三回同じ間違いをしたらボケ・カス・馬鹿垂れ・落第」と常々言ってきました。失敗を繰り返さないためには、なぜ失敗したのか、なぜ予測できなかったのか、なぜデータ取りが甘かったのか、なぜ取得データを詳細に分析しなかったのか等の何故、何故の繰り返しと、製造設備・機器の原理・機能・性能・能力の把握と理解することです。また、失敗しないためには、これからは予防的行動(品質リスクマネージメント)が重要であると思っています。 スケールアップでの失敗には理由がある。また、現場製造は、実験室と違って一発勝負である。 最初に行うスケールアップ(パイロット)製造では、実験室で組み上げた製造法(標準操作法)を用いて実施するが、製造現場で予期しなかった状況が発生したり、実験室で出来ていた操作が出来ず失敗す ることが多々あります。実際、医薬品原薬のパイロット製造は実験室で組立てた標準操作法を製造現場で検証する場であり、トライ&エラーを重ね製造条件を修正しながら標準操作法を確立して行くのが旧来のプロセス開発であった。少しでも製造現場でトラブルを回避するためには、製造現場設備を知り製造操作法の品質リスクマネージメントを行うことである。  品質リスクマネージメントとして、スケールアップに重要な変動要因(ファクター)の見極め、操作時間の違いによる熱安定性、スケールアップ時に 予想される操作トラブルの可能性、製造設備・機器の構造・原理・能力・操作の相違、操作リスク、スケールアップ経験、並びにスケールアップ操作時の加熱・冷却・時間のファクターによる反応活性体・中間体等の安定性条件等々について品質リスクアセスメントを実施し、操作条件を最適化するデータ取得の実験計画を作成することです。 プロセス研究者は品質リスクアセスメント実施するにあたり、実験室の装置と