医薬品原薬のプロセス開発に於ける晶析操作のスケールアップ 目次 初めに 1. 原薬製造で用いられる精製方法 1) 晶析(結晶化) 2) 抽出法 3) 液体カラムクロマトグラフィー法 4) 蒸留法 5) 撹拌洗浄・発汗法 2. 医薬品原薬の最終(精製)工程の晶析 1) 晶析工程をスケールアップ検討する実験機器・装置 2) 晶析に際して重要な影響を与える因子 3) 晶析操作条件の最適化 4 ) スケールアップ時の晶析操作及び設備の違い 3. 晶析操作条件のスケールアップに関わる課題 1) スケールアップ時の検証項目とパラメータ数値の課題 2) 晶析操作のパラメータ数値の取り扱い方の課題 3) 生物学的(物理化学的)同等性の課題 4) 製品品質規格 5 ) 原薬の品質とコスト 6) 冷却速度(勾配) 7) 晶析槽の容量と伝熱面積 8) 撹拌状態(流れ)の同等性再現 9) 晶析槽の構造と性能・能力の理解 10) 晶析槽の選択 11) 撹拌と結晶サイズの制御 4. 承認申請記載例から最終(精製)工程のプロセス開発に於ける晶析のスケールアップの進め方 1) 平成 17 年 3 月 23 日 承認申請書記載例 2) 品質リスクアセスメント 3) 操作条件のデータ取りとパラメータ設定 5. 結晶多形について 1) 結晶多形とは 2) 結晶多形の作り分け 6. 結晶サイズと単峰性結晶粒子径分布の必要性 医薬品原薬のプロセス開発に於ける晶析のスケールアップ 初めに ここからお話しする内容は、晶析化学、化学工学の素人である筆者が有機合成を専攻し医薬品原薬のプロセス開発時に携わった経験と文献或いは晶析化学の専門家から得た知識、製薬メーカー並びに原薬メーカーで複数の治験薬・新薬・後発品のプロセス開発に携わり 5 品目以上の医薬品を上市した経験からまとめたものである。著者は、製造工程の反応条件、反応メカニズム並びに工程操作の最適化がプロセス開発に於いて最も重要と考えているが、原薬の品質に重大な影響を与える重要中間体を精製する工程(精製工程)を入れることによりプロセス